※朝日オリコミ大阪様(以下「(朝)」)、ロックオン(以下「(ロ)」)
(ロ)(朝)本日は、よろしくお願いいたします。
(ロ)まず、早速ですが、今回リリースした「チラシDo!」がどのようなサイトか教えてください。
(朝)「チラシDo!」はインターネット上から新聞折込広告、ポスティング、チラシの印刷、デザインなどの発注を行うことの出来るECサイトです。
今回、特にターゲットとしているのは関西の企業様です。朝日オリコミ大阪の地盤でもある関西でのサービス充実化を目指したサービスです。
(ロ)関西企業向け、というお話ですが、このサイトを立ち上げるきっかけはどういったところにあったのでしょうか?
(朝)まず時代背景として、元々、新聞販売店はエリア内のクライアントからチラシを頼まれて、他の販売店に持っていってチラシを折り込むということをやっていました。
しかし、最近は新聞の読者が減少し、小売の方の世代交代などもあり、チラシ自体の取り扱いが減ってきているという現状があります。
そういう時代ですから、狭小商圏(商圏が狭い地域)のチラシはあまり受注しなくなってきています。
もちろん狭小商圏でも集客は欲しいわけで、チラシやポスティングをやりたいと思うものの、印刷会社では、チラシ、ポスティングはやらないとか、折込みまではやらないとか、そういった問題もあります。

我々も今までの営業形態だと、こういった小さなニーズにはなかなかお応えできていなかった。つまり、金額が小さいので、相談で訪問するような形だとペイしないということです。
ただ、逆に言うとそこは今まで対応できてなかったということで、ビジネスチャンスがあるということです。
実は最近、関東ではこういったニーズに向けてチラシ印刷やポスティングのネットサービスが出てきており、TVCMを見るのも珍しくない状況になってきました。
一方、関西ではまだまだそういったサービスは普及していません。
だったら、我々のような関西地盤の企業が、地元関西のお客様に根差した、ニーズにお応えできるサービスを作れば良いのではないかということになりました。
(ロ)大変分かりやすいご説明、ありがとうございます。
少し話が変わりますが、今回、サイト作成にEC-CUBEのフレームワークを選択されたのですが、その理由はどういったところだったのでしょうか?
(朝)そうですね。もともと、ロックオンさんやアドエビスは知っていたのですが、実はEC-CUBEというのがあるのは知りませんでした。これはご縁みたいなもので、とある方からご紹介いただき、EC-CUBEを知りました。
ただ、知るきっかけはそんなところだったのですが、世の中でかなり普及しているオープンソースのプラットフォームであるということで、信頼性がありますよね。
機能的にも網羅していたし、クレジットカード決済も簡単に導入できるのも魅力的でした。

そして何より、他のサービスとしては、ASPやモールも検討していたのですが、今回販売するのが、「モノ」ではなく「コト」を売るという、そんなサービスですから、柔軟に色々対応できるものでないといけないと思いました。実際に今回の「折込広告」はモールで扱うことはできませんでした。
その他、スクラッチも検討していたのですが、さすがに予算的なものもありますしね。
(ロ)「モノ」ではなく「コト」を売るという、通常のECとは違う点でEC-CUBEを選んでいただいたんですね。ありがとうございます。
現在は晴れてサイトがオープンとなったわけですが、実際にEC-CUBEでサイトを作成してどういう印象をお持ちになりましたか?
(朝)そうですね。先ほど申した通り、色々柔軟に対応できたのが良かったですよね。
特に、お客様に対する配慮を表現できたところというか、つまりチラシって一発で決めていただくのではなくて、見積もりを出してから決めていただくような流れがあって、今回は、いつも営業がやっている流れをどうネット上で実現できるのかが課題でした。
これは、相当柔軟に購入フローやバックヤードあたりもできないと難しいと思いますが、そこがしっかり表現できたのが非常に良かったですね。
制作はロックオンさんのようなEC-CUBEをお得意としている方に頼むこともできましたし、安心してお任せすることができました。
結果、我々はビジネスモデル検討に集中できたという分業制のような形で取り組めたのはとても良かったですね。
(ロ)今回のプロジェクト全体を通して苦労した点・逆に良かった点はありましたか?
(朝)今回は、社内的にも新しい取組みだったので、「社内の意思決定」のところは苦労しましたね。
新しいことをやる時に良くあると思いますが、それ専門の部署がなく、色々な部署から担当者が来て合議制で決めるというやり方ですね、今回当社もそうでした。
そうすると、コンセプトや想いがバラバラなのでなかなか意思決定がなかなか難しい。
ただ、今回は、一番初めに10人ぐらいでロックオンさんのコーディネーターの方も含めて意思統一の場を作っていただけたのはその後のプロジェクトをスムーズに進行する上で非常に良かったですね。
新しいことをする時はアイデアが発散しがちですが、始めにしっかり集約することができた。これでだいぶ後の進め方のスピードが変わったと感じています。
それと、変な話、EC-CUBEというパッケージは、なんでもできるわけですけど、基本の型は当然ありますよね。
これも普及しているパッケージという安心感もあって、EC-CUBEの基本の制約に逆にこちらが合わせることで、使いやすいユーザインターフェースに集約することができました。
業務をパッケージに合わせるというのも時には大切だと思います。
(ロ)当社的にも、もちろん苦労した点はありまして。最初ご相談を受けた際は、通常のECではないということもあり、しかもチラシ折込のこともあまり分かっていなかったこともあって、正直始めはそこが不安でしたね。しかも、やっていくうちに分かったのですが、思いのほか、チラシ折込自体の制約がある。実に色々な制約が。

それと、プロジェクト全体を通して意識していた点は、これは初めの打ち合わせの際に出てきていたことなんですが、ターゲットはあまりネットに慣れてない人、ということでした。
始めは、競合サービスもある中だったので、大きな仕掛けも検討していたのですが、ターゲットに戻って考えた時に、逆に、もっとライトな形、そして、お客様がいかに使いやすいかを考えるべきではないかと思いなおすこともありました。
どうやったらお客様に便利に使っていただけるかも色々考えまして、結果、今回自分がお客としてチラシを見ることが本当に増えましたね。
(朝)もう一つ、今回のプロジェクトで重要だったと思うのは、「システムで作らないもの」を決めるということですね。
ネット上に地図やエリア情報を表示してチラシの配布エリアを作るような画面もできないことはないのですが、それを作るだけでも結構な開発費もかかりますし、今回は、ネットに慣れていない人がターゲットだったので、あえて人と相談できる部分を残したということです。
ネット上だけで全てを完結できることよりも、簡単に相談できるサイトにしたんです。
実際、チラシを1万枚刷ったとして、実はそれをまくと人が来すぎて店が回らないなんてこともあります。
最適な枚数とか、どこにまくと良いとか、そういったノウハウを多く持っているのが我々の強みでもあるので、そこは分からなければ相談してくださいと。
そういうサイトにしたかったし、今回は良いサイトが出来たと思います。
(ロ)ありがとうございます。それでは、最後の質問ですが、今後この「チラシDo!」をどういうサイトにされたいか、そして御社のサービス展開について教えてください。
(朝)今まで、我々は会社のホームページは持っていましたが、サービス単独のサイトは持っていませんでした。
今回サービスを外出しして作ったわけですが、今までのように一つのホームページが大きくなっていく、そんなイメージではなく、今後サービスを追加していって、どんどん広がっていく、そんなイメージで新事業の広がりを見せていければと思っています。
また、「当社でしかできないサービス形態」ということをしっかり検討していきたいと思いっています。
我々はネットサービス専業企業ではなく、新聞販売店といったリアルなネットワークも多く持ち合わせているのが強みだと思っています。
個人事業主や沢山の企業様に喜んでいただけるのは、そういったリアルなネットワークも活かして、様々なニーズにお応えできる企業だと思います。
今回の「チラシDo!」で目指したように、これからもより便利なサービスを提供できるよう、当社のリソースを最大限に活用しながら進めていければと思います。
まだ「チラシDo!」自体は立ち上げたばかりで今後反応がどうなるかは分からないところもあるのですが、もちろんこれがゴールではないと思っています。
あくまでも今回の立ち上げをスタート地点として、どんどんテコ入れをしながらより良いサービスを目指していきたいと思います。
その際は、ロックオンさんも是非ご支援をお願いしますね。
(ロ)ちらこそ、これからもよろしくお願いいたします。
それでは、長い時間、ありがとうございました。
・関西エリアのチラシ配布・ポスティングのECサイト「チラシDo!」
・日本発ECオープンプラットフォームEC-CUBE構築事例:「チラシDo!」
